「言ったけど、理解してもらえない」「指示したとおりに仕事をしない」 多国籍の人達が一つの職場で仕事をする場合、異文化コミュニケーションが重要です。 異文化コミュニケーションとは、異なる価値観や考え方を持つ人々が、円滑に仕事をする上での大切なスキルといえます。 2020年に向けて訪日外国人四千万人時代に我々が必要な異文化対応力とは?(髙井典子文教大学国際学部教授) 3年次の「異文化実習」によって、このことを実際に体験することでしょう。 勿論、その文化のすべてを肯定し受け入れるわけではありませんが、まず、自分たちが謙虚になって、相手を神に造られた者として尊敬し、彼らの地点に立つことが出発点なのです。 グローバルに活躍する人材には、「語学力だけではなく、異文化コミュニケーションの能力が必要である」と言われ、小学校英語教育においても、異文化理解を促進することが求められるようになりました … ・異文化コミュニケーションに 必要なことを考える。 ・本時の学習目標と学習活動を生 徒に理解させる。 ・タンザニアの生徒の回答を予想 させ、そのように考えた理由を考察 させる。 ・自分の予想と実際の回答結果を 比較し、相違点や自分自身の見方、 © Copyright 2021 Berlitz Global Blog. 一般社団法人 国際コミュニケーション支援協会のプレスリリース(2020年8月3日 08時00分)業界初!外国人材を支える取組み[異文化カウンセラー] 異文化体験は終わりのない学びの源泉であり、最高のエンターテイメントといえるでしょう。 グロービス経営大学院教授田岡恵氏. Vietnam: わかりました。, ここから「期限」という概念について、お互いの理解を確認し、ギャップの正体を突き止めます。, Japan: 日本では全体の和がなによりも大事にされています。周りに迷惑をかけたくない、という思いが強いので、問題なく事が進むことを重視します。たとえば弊社がクライアントへのシステムの納品を期日までにできないと、クライアントに迷惑がかかります。クライアントはクライアントの社内外の人にシステム使用開始時期を約束しているはずです。弊社が期限を破るということは、クライアントにクライアントの利害関係者との約束を破らせることになります。このような事態はなんとしても避けなければなりません。このため、弊社へのシステムの一部の納品が遅れるのは非常に心臓に悪いのです。, Vietnam: なるほど。そういうことだったのですね。だとすると、僭越ながら申し上げますと、弊社の期限を延ばすべきだという判断は間違いではなかったかと思います。ベトナムでは現場の雰囲気が大事と先ほど申しましたが、理由のひとつはベトナムでは従業員の離職率が高いことです。ベトナムの若者は特に、1年から2年ほど経験を積んだらすぐに次の企業へ転職していきます。しかもベトナムは現在急速に発展しているので、人材に関しては完全に売り手市場です。今いる会社の雰囲気が良くなかったら、若者の立場からすれば居残るよりも別の職場を探した方が有意義だと思います。弊社としては社員に退職されたら困りますし、プロジェクトの途中で退職されたら御社にもマイナスです。幸い前回は期限を延長していただいたおかげで、退職者は出ませんでしたし、2週間の延長で済みました。, Japan: そういうことだったのですね。言ってくれればよかったのに、と言いたいところですが、やはりこのようにちゃんと話し合う機会がなかったのがいけませんでしたね。我々もこちらが期待することを明確にせずに失礼しました。日本においてdeadlineが「7月31日まで」ということは7月31日までに必ず納品、という意味です。これは交渉の余地がありません。, Vietnam: ベトナムではdeadlineはどちらかというと努力目標のようなものです。チームや家族など、自分の身の周りの人と良好な関係と雰囲気を保つことを大事に思っています。ですから期限を延ばすなどしてチームに無理をさせないようにします。日本ではお客様の方がより大事だと考えているのでしょうか?, Japan: そうですね。外側の人間に喜んでもらうためなら、内側の人間が多少の無理をするのは仕方ない、と考えているのかもしれません。, 期限に対しての考え方の違いの他に、内部と外部の人間の優先順位の違いが見えてきました。, お互いの考え方のギャップがはっきりしたので、ここからは以下の二点が目標になります。, ・ 「期限」の定義についてもきっちり話す。 2. それで随分楽になり、異文化に触れることが楽しくなってきます。 (2)地理感覚を養う・歴史を学ぶ 外国を訪れたとき、その国の基本的な情報を知っていないことで、恥ずかしい思いをしたり、失礼なことを尋ねてしまったりした経験はありませんか。 今度は場面をビジネスに置き換えて、自分の考えを理解し、異文化の相手に伝えることが一筋縄ではいかないことを解説します。, 日本の電車は3分でも遅れるようなら、車内放送で遅延の謝罪がされますよね。これほどまで時間を厳守する文化は世界の中では希少です。日本を訪れる外国人からはこのストイックさについて尊敬されます。なぜなら、自分の国ではあり得ないからです。, この文化の違いは、外国とビジネスをする際のトラブルの要因になりやすいですよね。特に、日本のクライアントへ商品を納品する期限があり、それまでの過程で外国の業者や支社からの納品物がある場合、困ったことになりがちです。これまでにお伝えしてきた異文化コミュニケーションの仕方をこのようなビジネスの場面に取り入れてみましょう。, ベトナムのグループ会社との最初のミーティングをすることになりました。向こうから挙げられている議題の中に「期限の相談」が盛り込まれています。異文化コミュニケーションを行うことになるので、ミーティングに入る前に、まずは自分の考えをはっきりと理解する必要があります。, 今回は期限をなんとしても守ってもらわなければなりません。ではなぜ日本では期限は絶対なのでしょう?自分が納得のいく答えを考えてみてください。 異文化は国と国の間の違いだけではなく、あらゆる違いを指す。 異文化コミュニケーションには、ただ教科書から得る知識や語学ができる以上のことが関係しています。訪日外国人の急増で自国以外の文化から来た人と接する機会も年々増える中、ますます高まる異文化理解の重要性についてお伝えします。 答えは見つかりましたか?, 私はこう考えます。 「言ったけど、理解してもらえない」「指示したとおりに仕事をしない」 多国籍の人達が一つの職場で仕事をする場合、異文化コミュニケーションが重要です。 異文化コミュニケーションとは、異なる価値観や考え方を持つ人々が、円滑に仕事をする上での大切なスキルといえます。 異文化の人と接する時に必要なことという小論文があるんですけど、「言語の違い」とかのことですかね? ... ファク. 異文化コミュニケーションには、ただ教科書から得る知識や語学ができる以上のことが関係しています。訪日外国人の急増で自国以外の文化から来た人と接する機会も年々増える中、ますます高まる異文化理解の重要性についてお伝えします。 JavaScriptが無効の場合は一部ご利用いただけない機能がございますので、有効にすることをお勧めいたします。, 日本人が海外で働くことが当たり前になり、日系企業で海外に駐在するだけでなく、現地法人で働く層や、日本にいながら世界各国を相手にビジネスするシーンが増えている。また、訪日外国人観光客数が年間2000万人を超える過去最高のペースを記録する中、ビジネス現場に限らず日常生活においても外国人旅行客と接する機会も頻繁になってきている。, グローバルなコミュニケーション機会が加速度的に増えるこれからの時代に求められる力とは何なのだろうか?グロービス経営大学院で英語MBAや異文化マネジメントの講座を教える田岡恵氏と訪日観光サービス分野の研究専門にする文教大学教授髙井典子氏、両教授の対談を基にヒントを提示したい。, 英語ができればグローバル企業から採用されるという時代は終わり、昨今は本質的な実力をつけることに向き合わざるを得なくなっている。田岡氏は、異文化対応力を磨く前に基本的な能力として持っていなければならないビジネススキルを次のように指摘する。, 髙井典子教授(以下、髙井) グローバルなビジネスに必要なスキルとはどのようものだとお考えですか?, 田岡恵教授(田岡) 同僚・取引先等ステークホルダーの異文化価値観への対応力は必要になってくるのですが、それ以前に土台として身に着けておくべきなのが、基本的な能力、すなわちビジネスそのものの高い理解力と説明力です。ビジネスディスカッションの現場においては、「なぜその判断を行ったのか」の理由や背景を正しく理解し、かつ論理建てて説明できなければ意見交換にさえなりませんが、日本人はこれらの力がやや弱いのです。, 説明するという分野において「日本人の特徴」として言えることですが、日本は世界で最も会社内組織の階層が強固な文化です。そのため、ヒエラルキー(組織の権威構造)のなかで自分がどういう役割を担うべきかという意識があまりにも強く、個人としての主張を前面に押し出さない傾向にあります。, 一方他国では「交渉や会議の場に出てきた人が会社を代表するリーダーだ」と思って捉えてくる。すると、仮に自分が意思決定者でないとしても、肩書を脱いで自分の主張をすることを意識するべきでしょう。こうしたことはMBAでの学習過程においても必ず求め得られる、基礎的かつ重要な視点だと思います。, また相手の反応を見て理解されていないと思えば、相手に質問をしてみるとか、誤解されているようならそれを解く、あるいはお互いの前提の違いを知ることが必要です。日本人は交渉事では合意に至ることを目的にしますが、たとえばアメリカ人は自分の意見を通すことがゴールだったりしますから、決裂も辞さない面があります。そういうことを感度高く質問することで、そのような裏に隠れているものを表に出していく力が必要です。, 田岡 これら基礎的な能力を身に着けた後に求められるのが「異文化対応力」です。異文化対応力の土台となるのが、「Cultural Intelligence(文化的知性)」と言えるでしょう。この「Cultural Intelligence」は次の3つの要素に分類されます。すなわち、「knowledge(知識)」、「mindset(心構え)」、「skill(具体的な行動)」です。, 「knowledge」においては正しい知識を持っているだけでなく、自分で「知らないことを理解している」ことが大切です。「mindset」においては、相手が言っていることをきちんと聞くことができ、反応することができること。「skill」においては、みんながきちんと意見なり、態度なりを表現する場をつくれる技術をもっていること。一言で言ってしまえば、「ビジネスシーンにおいて気がきく人」と言えるかもしれません。こうしたことが異文化の中で仕事をするときには重要なのです。, このknowledgeの部分を体系的なフレームとして理解するには、田岡氏が監訳した『異文化理解力』(エリン・メイヤー著英治出版)が非常に実用的で参考になる。ビジネス環境や仕組みを作り出すためのヒントとなる視点を「評価」や「リーダーシップ」といった、グローバルな職場環境において文化の違いが生まれやすい「8つのマネジメント領域」に沿って解説するなど、knowledge(知識)として理解する上での参考書となるはずだ。, 『異文化理解力』は、「異文化間のコミュニケーションのコツ」や「多文化世界における説得の技術はどのように違うか」、あるいは「リーダーシップや階層がどのように構築されているか」など、相手の真意を理解し、自分の真意も伝えることができる、ビジネスパーソンに必須の教養が詰まった一冊だ。, 田岡 では「mindset」や「skill」を高めるために個人として何ができるのかというと、ひとつは、自分と違うものを受け入れる素養を養うこと。それにはできだけ若いうちに(出来れば20代が理想)異文化に触れる経験をすることです。感受性が豊かな、自分ができあがってしまう前の段階で経験することで異文化に対する対応力がまるで違ってきます。, 私が最初にイギリスに行ったのは27歳のときで、マネジメントではなく、下の立ち位置からのスタートでした。そのとき、自分が現地のイギリス人から「日本ってどうしてこうなの?」と尋ねられると、自国の文化に関心を持ってくれていると感じうれしく思っていたので、逆に自分も周りのイギリス人に「なぜイギリス人はこうなの?」と質問攻めにしていました。「あなたの文化を理解しようとしている」という姿勢は、相手に好感を抱かせ、受け入れてもらえるベースになると思います。, そして最終的には、『異文化理解力』にもあるように、「個人が切り出される」までその国の文化に入り込んでほしいですね。たとえば、一緒に学んだり、仕事をしたりすれば、ステレオタイプをいったん抱いて壊し、個人を知るまでのプロセスが経験できると思います。, たとえば、「イギリス人のジョンさん」との関係でいえば、最初は「イギリス人はこうなんだ」からしだいに「ジョンさんはこうなんだ」と考える。またもう一度、「イギリス人ってこういう共通点があるよね」との考えに至り、最終的には「文化は違うけど、こういうところは人間として共感できるよね」というところに行きつくのです。そうすれば、人と人という根源的なところで理解し合うことができます。, 「個人として何ができるのか」についてのもうひとつの方法は、逆説的なようですが、「もっと日本文化を知る」ということだと思います。相手との相対感をきっちり出せるように、自分の文化はこういうことだといえること。自己を確立することが必要です。そうでないと、ビジネスにおける自分の意見というものも真実味を持って受け取ってもらえないからです。, 「◯◯人ってこうなんだ。わかったぞ」と思っても、次の瞬間ひっくりかえされる。知っても知っても、理解したつもりだっただけ、ということの繰り返し。文化とは重層的な存在であり、その奥底にある価値観や本質を理解することが「玉ねぎの薄皮を一枚ずつ剥いていく作業である」という表現には強く共感しますし、それこそ異文化体験の醍醐味だと思います。異文化体験は終わりのない学びの源泉であり、最高のエンターテイメントといえるでしょう。, いま日本ではインバウンド(訪日外国人旅行)市場が急激に拡大している。「爆買い」の言葉で有名な旺盛な消費欲や、聖地巡礼と呼ばれる映画やアニメにゆかりの地を巡る消費行動で日本経済に好影響を及ぼしている一方、観光ビジネスの現場では課題が噴出し、受け入れるプレイヤー(地域住民・自治体・企業)がストレスを抱えつつあるのも事実だ。観光分野における異文化対応力として、今必要な心構えやスキルはどのようなものだろうか?, 髙井 いま観光の現場では主にふたつの異文化対応の課題が表面化してきています。ひとつは「観光事業者が外国人客の行動に戸惑い、共感・理解できないこと」もうひとつは、「リピーターでやってくる層のニーズに充分対応できていないこと」です。, 前者の課題で分かりやすい例としては、魚市場で仲卸業者が、外国人客が直接手で魚を触ってしまうことに憤慨したり、例えば山梨県の忍野八海では外国人客が湧水池にコインを投げ入れ対応に苦慮するということなどが挙げられます。外国人旅行者が、日本の習慣やルールを理解せずにとってしまう行動に対して、困惑する場面は日本各地でおきつつある問題ではないでしょうか。, 後者の課題は、リピーター層に対して、初めての訪日客に対する場合と同じ対応をしてしまっていることです。そのために彼らの満足を得られず、結果、観光事業者が困惑しているということが挙げられます。初めてその地を訪れる客に対しては、相手の要望に合わせようとするおもてなしのサービス精神は心地よく、満足感の高い体験なのですが、何度も訪れているリピーターにとってはそれだけでは満足もしなければ、ましてや感動は生まれません。旅慣れている人は、現地の生の価値観に触れることを旅行の楽しみと思っていますから、むしろ「ありのままの日常に触れたい・体験したい」と思っているのですが、このニーズに地元が対応できていないのです。, これら2つの課題に共通する理由は、その観光地地域のプレイヤーの心理状態が「単にお客様がたくさん来てくれてうれしい」という初期段階を超えて第二段階(ストレス発生状態)に差し掛かっているために生まれていると、私は見ています。, 急激に異文化が入ってきたときにおける現地の人々の態度変容には、いくつかの段階があります。観光の分野においては、相手に侵略の意図がないというのがわかっているので、第一段階は大喜びから始まります。それが、旅行客が自分たちの生活を乱したり、あるいはコミュニティの中に得をする人と損をする人が生まれる第二段階に差し掛かると、関わる人達の内面にはイライラやストレスが生じます。, この先の第三段階として起きうるBADシナリオとしては、やがて観光客を単なる「お金を落とす人」としてだけ見るようになり自分たちの生活圏と分離しようとするケースです。そして最終的に無関心に至るというストーリがあることが観光分野の研究で分かっています。, 髙井 この「ストレス発生状態」の段階から、「無関心の第三段階以降」シナリオに向かわないようにするためには、外国人観光客と日本の観光事業者が、「相互共感できる関わり方」を作る必要があります。つまり、相手の文化習慣を理解し、自分たちの文化も客観的に捉え、相対化=違いを理解することで、両者が共感できる接し方・関わり方を見つけていくことです。, 前述した魚市場の件であれば「魚を触らないでください」と言えばいいのです。「なぜなら……」と説明するその理由の中には、彼らの文化にはない考え方、伝統があるはずです。それをうまく伝えることができれば、注意を受けたとしても「そうか、日本ではそういう考え方があるのか、おもしろいな」という具合に外国人客の共感を得られるはずです。, 同時に、相手にだけ要求するのではなく、時には自ら痛みを伴う変化を受容しなければいけないこともあるでしょう。, たとえば、石見銀山では世界遺産に登録されたときに、急激に大量の観光客が押し寄せ、地元住民の生活がおびやかされるようになりました。そこで地元住民は路線バスを廃止することを決断しました。自分たちも不便を我慢するから、観光客にもバスではなく、歩いて見てほしいという思いがあったからです。そのかわりベロタクシーなどの代替の乗り物を用意し、高齢者にはそうしたものを利用してもらうようにしています。, 地域のキャパシティを超えて観光客が訪れると、自然が壊されたり、渋滞が発生したりして現地住民の生活に悪影響が及びます。それがどれくらいの規模なのかを見定め、現地の住民と観光客が「ひと」対「ひと」として接することのできる交流の仕方を工夫することが必要です。, 「自分たちの地域はこういうところだから、こういう形の観光をやっていきたいんだ」と住民が主張し、主導権を持って観光事業者と一緒に対応を考えていく必要があります。こうした対応ができるようになっていけば、「ありのままを見せる」こともできるようになっていくはずで、さらに共感・共有の場面を生み出すことができます。, 髙井氏の著書『訪日観光の教科書』(赤堀 浩一郎との共著創成社)は、成長戦略としての訪日観光(インバウンド)を読み解く初の体系的入門書。また、訪日観光の盛り上がりの理由、観光する外国人が何を求め、どのような消費や体験をしているのか?よりよい訪日観光の為には何が出来るのか?等のテーマについて、星野リゾート、ANA、ニセコ地区など約20の先進事例も紹介している。インバウンドに関心があるビジネスパーソンならばぜひ押さえておきたい。, 髙井 観光業の将来についていえば、これまでは旅館だと大手の旅行会社が間に入り事前コミュニケーションを行ってくれ、販売してもらい、自らは日本人のお客様を現場でおもてなしすればいいという環境でずっとやってきました。しかし、リピーターが増えれば旅行会社を通さない個人旅行者が増えるので、そのマインドを変えて、海外のお客さんとも個人としてやり取りできるようになっていく必要があるでしょう。日本の観光事業者は真面目ですから、始めてしまえばノウハウは得られるはずだし、スキルもやっていけば身につくはずです。, 理想は、田岡先生の本の中にあるように「パーソナリティが切り出される」ところまで外国人客と付き合えるようになることだと思います。ざっくりとした「〇〇国の人」の中に隠されている個人を切り出す努力をしないといけない。外国人と接するとき、ついついステレオタイプを持ち込みがちですが、皮膚感覚で共有できる場面をつくることが観光業でも大事だと思っています。, そのためには通り一遍の観光地めぐりではなく、旅行者を迎える地域の個人が垣間見えるようなシーンを観光の中でいかにつくっていくかが今後の課題です。, やはり私たちは「他者とは相当の努力なしにはわかりあえない」のだという点を出発点にする必要があるでしょう。そのうえで、コミュニケーションの受け手と送り手のもつ文化的枠組みを互いに理解するための工夫が求められているのです。その時のために、私は教える学生にはできる限りひとりで旅行をしてほしいと強く訴えています。活躍するビジネスパーソンの皆さんも、ぜひ海外旅行やインバウンド観光の機会を活かして「異文化対応力」を高めていただくと良いと私は考えています。, グロービス経営大学院教授 3. 対話を通してお互いの文化間のギャップを明確にすると、それ以降、話がまとまりやすくなる。. 異文化理解というテーマでは、異文化と接する際に生じやすい問題とか、異文化を理解する時に必要なこととか、自国の文化中心主義の問題点を問う設問が出されるみたいです。 Q.「異文化と接する際に生じる問題について、あなたの意見を述べよ」 模範解答 相手の文化を理解する前に、自分の考え方や文化を理解することが大事。 異文化理解とは? 異文化理解とは、「異なる文化で育った者同士がお互いに理解し合うこと」である。 生まれ育った環境や国が違えば、価値観や考え方が異なるのは当然だ。 相互理解がない場合、一方的に自分が正しいと主張すると争いが起きやすい。 自分より20歳年上の他人、もしくは20歳年下の他人と交友できますか?Yesと答えた方は、異文化コミュニケーション能力に長けているかもしれません。異文化とは、性別をはじめ、年齢や職業、出身地や社会的地位などあらゆる違いを指します。, つまり異文化コミュニケーションとは、自分とは異なる相手と意思疎通しあうことです。自分とまったく同じ生き物は存在しないので、言ってしまえばコミュニケーション=異文化コミュニケーションです。, ですがこのごろのビジネスパーソンを悩ませているのが、外国で外国人とビジネスをする際に直面する大きな文化の違い:多国間の異文化コミュニケーションです。ただ会話を成立させるだけならば語学力があればなんとかなりそうです。しかし他国とビジネスを成立させるには、語学だけではどうにもならないのです。, しかし解決方法はあります。しかも、ごく身近に。この記事では、異文化コミュニケーションが身近なスキルであることと、他国との具体的な異文化コミュニケーションの仕方を説明していきます。, 冒頭の質問にあるように、親と子供は大変な異文化です。親という大人社会の住人からすれば、子供の言動が理解できないことなんて日常茶飯事ですし、逆も然りです。でも一緒に公園やテーマパークなどに行って一緒に楽しい時間を過ごすことだって可能です。お互いの理解すら難しい間柄の人々が「楽しむ」というひとつの目標を達成することは異文化コミュニケーションの成功例でもあります。年齢の違いは異文化のひとつの形です。, もちろん他国の人や組織とコミュニケーションをとる時は年齢以外の様々な違いも絡むので、より複雑な異文化に直面します。でもそれは「違い」の種類が多いか少ないか、大きいか小さいかの差であって、本質的には世代間の違いと同じことです。引き続き年齢の違いを例に異文化の乗り越え方を考えていきましょう。, たとえば子供と一緒に楽しい時間を過ごすには、まず子供にとってどのようなことが楽しいのかを理解するために歩み寄らないといけませんよね。テーマパークで一緒に子供向けの乗り物に乗ったり、子供向けの映画を見に映画館に一緒に行ったりすることが歩み寄ることに当たります。, 異文化コミュニケーションはこれで完了ではありません。なぜなら、このままではただ子供社会の郷に従っただけだからです。相手も、つまり子供もある程度大人社会の郷に従わなければ、「一緒に楽しい時間を過ごした」とは言えません。, 子供が楽しそうにしている姿を見るのが嬉しくて子供向けの映画に子供を連れて行っているとしましょう。いくら子供の頼みとは言え、もし同じ映画を続けざまに何回も見たいと言われたらさすがに嫌ですよね?お金にも限度があります。子供はわがままを言い続けると二度と映画に連れて行ってもらえなくなる、などということを次第に学んでいきます。「ものごとには限度がある」ということを徐々に学ぶことで、大人社会に歩み寄ります。, このように文化の違う者どうしが互いに相手を知り、相手にこちらの気持ちや考え方を理解してもらうことでお互いが歩み寄ると異文化コミュニケーションが成立します。子供相手に限らず、他者に自分の気持ちや考え方を理解してもらい、自分が相手の考え方や気持ちを理解するためにすることは、以下のふたつです。, 相手に自分の気持ちや考え方を伝えるには、まず自分がそれを理解していないといけませんよね?当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、自分の気持ちや考え方を正確に言い表せますか?異文化コミュニケーションを成功させるための土台は、自己理解と、自己理解をした上での対話です。, 自己理解と自己表現が実は簡単なことではないことをお見せします。以下のシチュエーションが自分の身に起こったことを想像してみてください。, できましたか?漠然と感情の変化を感じることはできたかもしれませんが、それを言葉で相手に伝えるとなると、なかなか上手くまとまらないのではないでしょうか。, ”ちゃんとした理由の説明もなしにそんなことを言われても、納得できません。この職場である程度必要とされていると思っていました。同僚といい関係を保ってきましたし、お客さんからの信頼関係も積み上げてきたと思います。それをなんの理由もなしにいきなり手放せと言われても、やりきれないです。せめて私が異動することで会社にどのようなメリットがあるのか教えていただかないと、この先、また3年すればどうせ異動だろうと思ってモチベーションが保てないと思います。うちの会社は非常にやりがいのある仕事をさせてくれますが、説明が足りないところは好きになれません。”, よく考えるまで自分がどう思っているのかがはっきりとわからず、そのため自分の気持ちを表現するのに苦労してしまいました。上記のように思ったことを正確に表現できれば、相手は何が問題であったかを理解でき、問題解決への糸口が見いだせます。上司も異文化間できちんとコミュニケーションをとろうとしている場合は、以下のような説明をしてあげるべきだと気づけます。, ”異動があるのは、君に様々な支店の様々なお客様に会って、経験値を積んでもらいたいからだ。私だってここでこんなに上手くやっている君を手放したくはないが、会社全体のことを考えると、君のような人材を一カ所に留めておくのはもったいない。君の働きぶりならまたすぐに新しい人間関係が築けるだろう。異動したからといって今ある人間関係がなくなるわけではないし、異動すれば人間関係は広がるだろう。会社はそう思って、3年おきくらいに異動を命じているんだと思うよ。説明が足りないのは私から謝る。私も言葉が足りなかった。”, もし異動命令を受けて上司に対して涙を呑んでただ「わかりました」とだけ伝えていては、自分のモチベーションが下がる上に上司や会社にとっても何も学びがありません。つまりwin-winからは程遠い、lose-loseの結果になります。, 組織内の立場が違う者どうしも異文化です。お互いを理解するには、一方が考えを正確に理解し共有して、それに対して相手も考えを共有することが大事です。, ここまでの話をまとめると、異文化コミュニケーションを成功させるには以下のステップを踏まなければなりません。 異文化理解を深めるために必要なことは何ですか?また、異文化を知ることによる利点は何でしょうか?すこし抽象的すぎますがどうぞよろしくお願いします。 1.必要なこと・その国の文化、慣習について勉強すること。本を読むこと。・そ あなたのオフィスには異文化を持つ外国籍スタッフはいますか?日本では当たり前のことだろうと思う事も外国籍スタッフからすれば、全く違う見方をします。まずはどのような文化の違いがあるかを知って、外国籍スタッフと円滑なコミュニケーションを図れるようにしましょう! ビジネスパーソン向けの注目書籍を見つける本チームは、ビジネス書にとどまらず、社会課題、自然科学、人文科学、教養、スポーツ・芸術などの分野から、注目の書籍をご紹介します。 異文化出身者同士の本当の理解には、自分本位の色眼鏡は使っていないか、自分丈の物差しを持っていないか、自分自身を見つめ直すことがとても大切です。この記事では、異文化理解に不可欠な『ビギナーズマインド』の考え方を紹介しています。 異文化コミュニケーションのコツ. )。東京都観光事業審議会委員、日本観光研究学会理事。著書『訪日観光の教科書』(赤堀浩一郎氏との共著)は観光学術学会・教育啓蒙著作賞を受賞, 本と電子書籍のハイブリッド書店「honto」による、注目の書籍を見つけるための分析チーム。 文化教育(MulticulturalEducation)」である。 一方日本では,国際化の進展に伴う在日外国 人の急増によって,異文化を持つ人々と接する 機会が増えていることは周知の通りである。地 域によっては,その子どもたちの教育の問題が 重要課題となっている。 グロービス経営大学院経営研究科教授、同大学院英語MBAプログラム研究科長室ディレクター。慶應義塾大学文学部卒業、筑波大学大学院国際経営修士(MBA in International Business)。海外での企業会計プロフェッショナル職を経て、現職。グロービス経営大学院では、会計および異文化マネジメント関連の講義を担当。共著に『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』, 文教大学教授